


西郷どんは明治七年七月から十月まで、白鳥神社近くの白鳥温泉に逗留しています。白鳥温泉で詠んだ漢詩を記した石碑が展望台にあります。漢詩の中で、「霊境温泉洗世縁(れいきょうおんせんせえんをあらう)」白鳥温泉は神霊の宿った温泉と詠まれています。また、「瀑声松籟洗塵耳(ばくせいしょうらいじんじをあらう)」瀑布の声松風の音が浮世の塵に汚れた耳を洗う。明治新政府の入り、その後政策に意見の相違が生じ故郷へ下野した西郷どんは、白鳥の静かな温泉と狩りで心を癒されたことでしょう。天然の蒸気を利用した蒸し風呂では、聞こえてくるのは風の音と水の音。「洗世縁」「洗塵耳」俗世を離れてふらっと訪れたくなる温泉です。